2024
1
Jan

誕生石

カラーストーンを知ろう!♦︎1月の誕生石編「ガーネット(レッド系)」

古くから愛されてきたカラバリ豊富な宝石
Garnet


※写真はイメージです。卸組合のサイト参照 https://i-rori.com/birthstone/birthstone/455/

 

ガーネットの石言葉

ガーネットの石言葉は「真実」「友愛」「情熱」「繁栄」。和名のざくろ石の名の通り、結晶の様子がざくろの種子に似ていることから実りの象徴とされ、繁栄をもたらすとされています。また血液に深い関わりを持つため、血液の循環や生命力を高める効果があるといわれています。

 

 

ガーネットとはどんな宝石?

古くからジュエリーとして愛され、家族の宝石として伝えられてきた歴史があるガーネット。ガーネットの語源はラテン語でざくろを意味するグラタナス(種)。種が多いざくろの実のような結晶の様子から、稔りや繁栄のシンボルとされてきました。人生の成果を実らせて成功へと導く宝石として、家族代々に受け継がれ大切にされてきました。アンティークジュエリーにもガーネットのブローチやイヤリングがたくさん伝えられているのが特徴です。日本では結婚18年目をガーネット婚と呼んでいます。

 

 

ガーネットの特徴は?

1月の誕生石はガーネット一種類だけとなっていますが、実はガーネットは、カーネットグループと呼ばれる多くのファミリーを持つ宝石で、さまざまな近縁種があり、ほとんどすべての色が揃う宝石です。一般的にガーネットといって連想されるのは濃い赤色のものだと思いますが、驚くほど多くのカラーバリエーションを持つ宝石なのです。

あらゆる色が揃うガーネットですが、大きく分けるとレッド系とグリーン系のものがあります。今回は代表的なレッド系のガーネットを紹介したいと思います。

 

・パイロープガーネット

さまざまなカラーバリエーションがあるガーネットの中で、もっともよく知られるスタンダード・ジェムというべき位置にあるのがパイロープガーネットです。パイロープとはギリシャ語で「燃えるような眼」を意味するpyropeです。

燃えるような赤い色のパイロープガーネットは、ケイ酸塩鉱物でアルミニウムを共通に持っています。本来は透明や白なのですが、鉄・マンガン・クロムなどを含むことで赤く着色しています。

16世紀頃にチェコのボヘミア地域で発見され、ハプスブルク帝国繁栄の礎のひとつとなりました。ヨーロッパの近代史の中で人々に愛され、海を越えて英国ヴィクトリア王朝のもとにも渡り、ロンドンの宝石店にガーネットブームをもたらします。アンティークジュエリーで人気のある「ヴィクトリアンスタイル」の原型はこうして創られました。

 

・ロードライトガーネット

紫がかった深みのある赤が美しいロードライトガーネット。たくさんの種類があるガーネットには、レッド系だけでも代表的なものにパイロープガーネット、アルマンディンガーネット、ロードライトガーネットなどがあります。ロードライトガーネットは、パイロープとアルマンディンというガーネット2種の成分が混ざり合うことで生まれます。ギリシャ語で薔薇を意味する「rhodo」と、鉱物の「lite」から「rhodolite」の名が生まれました。和名でも「薔薇柘榴石」と呼ばれています。近年では紫色のロードライトガーネットも人気があります。

 

・アルマンディンガーネット

深い赤色が血の色にも近いことから、身体の血流を活性化させると信じられ、お守りとして身に付けられてきたアルマンディンガーネット。トルコのアラバンダという都市の名前を由来としています。恋愛を始め、仕事や出産と女性にとっての重要なライフシーンにおいて実りを結ぶ石として古くから愛されています。

アルマンディンガーネットはケイ酸塩鉱物で、アルミニウムが含まれるパイラルスパイトグループに属しています。世界中で採掘され、採掘量も多いことで知られています。古くから宝石として認知され、ジュエリーに加工されてきた歴史があります。

 

・スペサルティン(マンダリン)ガーネット

情熱的なオレンジにきらめくスペサルティンガーネットは、透明感ある淡いオレンジから赤褐色まで豊かなオレンジのカラーグラデーションを持つガーネットです。最初に発見されたドイツバイエルン州のシュペッサルトにちなんで名付けられました。鮮やかなオレンジ色は鉄とマンガンの含有によるもので、オレンジの発色が良く透明度の高いものはマンダリンガーネットと呼ばれ、人気があります。

 

ガーネットの歴史

ガーネットについてのもっとも古い伝説は、旧約聖書のノアの方舟で暗闇を照らしたという言い伝えです。赤いガーネットは数千年前すでに、エジプトのファラオの首を飾るネックレスとして、ミイラ化した死体とともに埋葬されていました。来世のための財産の意味合いがあったようです。また古代ローマではガーネットに彫刻を施したシグネットリングを使って、重要な書類を封印するワックスにスタンプしていました。ロー​​マの学者プリニウスの時代には、赤いガーネットは最も広く取引された宝石のうちのひとつで、中世では聖職者や貴族に好まれていたようです。1500年頃に有名なボヘミアンガーネット鉱床が発見されたため、ガーネットは入手しやすくなりました。のちにこの産出地は、宝石業界の中心となりました。

 

ガーネットの産出地

世界中で産出するガーネットですが、代表的なのはスリランカ、アフリカ、マダガスカルなどです。スリランカは既に鉱山が閉鎖されているため、現在は産出されていません。マダガスカルからは良質なカラーチェンジガーネットが産出し、コレクターの間では高い値で取引されています。

 

ガーネットの鉱物データ

鉱物名♦︎ガーネット

分 類♦︎ケイ酸カルシウムアルミニウム、ケイ酸鉄アルミニウム、ケイ酸カルシウム鉄など

組 成♦︎ Fe2+3Al2(SiO4)3 、Mg3Al2(SiO4)3、Mn3Al2(SiO4)3

硬 度♦︎6.5 – 7.5

比 重♦︎3.6-4.3

屈折率♦︎ 1.72 – 1.94

分散度♦︎ 0.020 – 0.057

結 晶♦︎立方晶系

誕生石♦︎1月

和 名♦︎ざくろ石

石言葉♦︎真実・友愛・情熱・繁栄

 

誕生石はギフトに最適ですし、ご自分のお守り石として身につけるのも素敵かと思います。